そこへ猟師がやってきました。

——けれど、誰も来なかった。

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APOCRYPHA / FILE NO.001

LITTLE RED RIDING HOOD — ALTERED STORY

RUFAS

ルーファス

「俺が俺であるために、
獣を殺す。」
ROLE / THE RED HOOD WHO HUNTS BEASTS
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01 / PROFILE

赤い頭巾を被った、
獣狩りの少年。

明るく豪快で、軽口や挑発を好む自信家。強い獣を前にするほど、楽しそうに笑う。

頭巾は、狼に食われた恐怖と、誰にも救われなかった過去を忘れないため。その手から大きな戦斧を離すことはない。

NAME
ルーファス Rufus
MOTIF
『赤ずきん』
AGE
17〜18歳程度
TITLE
獣狩りの赤ずきん
WEAPON
大きな戦斧
02 / THE REWRITTEN STORY

書き換えられたことで出来上がった物語

猟師は、
来なかった。

失われたのは、たった一文。
その空白が、一人の少年を永遠の狩りへと変えた。

昔々、あるところに、赤い頭巾を被った少年がいた。
少年は祖母の家へお見舞いに行くため、食べ物を詰めたバスケットを手に、森へと向かった。
しかし、その道中で一匹の狼と出会う。
狼は少年を騙し、先回りして祖母の家へ向かった。
そして祖母を飲み込み、少年を待ち構えた。
何も知らずに祖母の家を訪れた少年は、狼に襲われ、食われてしまった。

本来の物語ならば、ここで猟師が現れるはずだった。
狼の腹を開き、赤ずきんと祖母を救い出す。
そして物語は、めでたし、めでたしで終わる。

しかし、その頁から「そこへ猟師がやってきました」という一文が失われていた。

暗い狼の腹の中。
少年は、誰かが助けに来てくれると信じていた。
声を上げた。助けを求めた。何度も、何度も。
しかし、誰も来なかった。
時間が経つにつれ、少年は理解した。
このままでは、自分はここで死ぬ。

怖かった。苦しかった。誰かに救ってほしかった。
神にさえも頼った。
だが、誰も来なかった。

そして、少年は決めた。
誰も助けに来ないのなら、自分で出るしかない。
少年は狼の腹の内側に爪を立てた。
何度も、何度も引き裂こうとした。
それでも出口は開かない。
ならばと、今度は自らの歯を立てた。
噛みつき、引きちぎり、指を突き立てた。

必死だった。生きたかった。
ただ、もう一度、外の世界に出たかった。

そしてついに、狼の腹を内側から引き裂いた。
血に濡れた赤い頭巾を纏い、少年は狼の腹から這い出した。
狼は倒れ、やがて動かなくなった。

猟師は来なかった。
赤ずきんは、自分自身の手で狼を殺したのだ。

だが、少年の物語はそこで終わらなかった。
少年は考えた。
なぜ、自分は食われなければならなかったのか。
なぜ、誰も助けに来なかったのか。
なぜ、自分がこんな目に遭わなければならなかったのか。

そして、一つの答えにたどり着いた。
狼がいるからだ。

狼さえいなければ、自分は食われなかった。
狼さえいなければ、誰かに救いを求める必要もなかった。
狼さえいなければ、祖母だって。

少年は大きな斧を手にした。
今度は食われるためではない。
食う側を、狩るために。

少年は森の奥へと向かった。
そこには、狼たちの集落があった。
自分を食った狼以外にも、狼はいた。
まだ誰も食っていない狼もいた。
それでも少年は、斧を振るった。
一匹、また一匹。すべての狼を殺した。

これから誰かを食うかもしれない。
これから誰かの助けを求める声を、踏みにじるかもしれない。
そんな可能性すら、残したくなかった。

そして、狼たちがいなくなった森で、少年は笑った。
「ははっ!
これで、もう誰も食われねぇな!」

しかし、獣は狼だけではなかった。
森の外にも、人を襲う獣はいる。
人を食う怪物がいる。
誰かの物語を終わらせる存在がいる。

ならば、すべて殺せばいい。
誰かが救いを求める前に。
誰かが食われてしまう前に。
自分と同じような赤ずきんを、二度と生み出さないために。

そうして少年は、大きな斧を携え、獣を狩り続けるようになった。
やがて、狩りは彼の日常になった。
獣を見つければ笑い、強い相手に出会えば喜び、斧を振るうことに高揚を覚えるようになった。

かつて狼の腹の中で泣き叫んでいた少年は、もうどこにもいない。
いや、いなくなったことにしたかった。

彼が今も赤い頭巾を被り続けているのは、あの日のことを忘れないためだ。
狼に食われた恐怖。
腹の中で助けを求め続けた時間。
そして、最後まで誰も来なかったという事実。

それを忘れてしまえば、自分は再び、ただ助けを待つだけの赤ずきんに戻ってしまう気がした。

だから、頭巾を脱がない。
だから、斧を手放さない。
だから、獣を殺し続ける。

「俺が俺であるために、獣を殺す。」

最初は、誰かを守るためだった。
自分のような人間を、もう生み出さないためだった。

だが、今はどうだろう。
誰かを守るために獣を殺しているのか。
それとも、獣を殺し続けるために、誰かを守るという理由が必要なのか。

その答えを、少年自身も知らない。
いや、知ろうともしていないのかもしれない。

ただ一つ、確かなことがある。
彼はもう、狩りをやめられない。
獣を殺さなくなったとき、自分が何者なのか分からなくなってしまうから。

今日も赤い頭巾の少年は、大きな斧を担ぎ、笑いながら森を歩く。
その先にどんな獣が待っていようと、彼が足を止めることはない。

かつて救いを待っていた赤ずきんは、もういない。
そこにいるのは、獣を狩り続ける一人の少年。

「ははっ!
さぁ、次はどいつだ?」

こうして、誰にも救われなかった赤ずきんの物語は、今もなお血に染まった頁を増やし続けている。

THE HUNT CONTINUES BEYOND THE LAST PAGE.

誰にも救われなかった少年は、
今日も獣を狩り続ける。

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